MEDICAL INFO もぐもぐ動物病院ができること
2023年8月13日、しーちゃんとの出会い
飼主さんの事情で、しーちゃんは新しい家を探すことになりました。
翌日の8月13日、しーちゃんは私たち「もぐもぐ動物病院」の一員となりました。お腹にはラグビーボールほどの乳腺腫瘍があり、その状態は非常に悪化していました。
腫瘍は裂けて血が出ており、レバー剥き出しのように・・。異臭も放っている状態でした。
しーちゃんはレバーしか食べておらず、栄養状態も非常に悪く、痩せ細っていました。
手術
ベストコンディション!!とは言えませんが、しーちゃんの貧血の進行を考慮し、翌日に手術を行うことを決定しました。肺にも腫瘍の転移があり、麻酔のリスクも高かったのですが、手術を行いました。
術後、多くの飼主さんたちがしーちゃんを心配し、差し入れを持ってきてくれました。
そのうちに、しーちゃんはまるでずっとここにいたかのように家族の一員になりました。
家族になったしーちゃん
広報部長のがんもはしーちゃんに恋しちゃったかのようにべったり。
冬のドッグランでは、もこもこつなぎを着て楽しく遊びました。
新しいダックスフンドの友達も増えたし、
歯磨きも頑張りました!
しーちゃんをイメージして作ってもらったしーちゃんだけの首輪
迷子札も 「はずみしじみ」
しかし、でも何度も何度もアイツ(腫瘍)が大きくなってくる。。
私たちは、しーちゃんと一緒にいるために何度も手術を行い、診療時間外の手術にも「しーちゃんの為に」とスタッフが残って付き添いました。
術後の冷えた体はがんもが温め、応援しました。
しーちゃんのお腹が冷えないように、特別な服を作ってくれる方もいました。
大学病院へ鍼灸治療にも通いました。
初めてのドックカフェでびゅー
ちょーっとだけアイスも食べてみたり
大好きながんもとはずっとそばに
しーちゃんとみる景色
しーちゃんの目にも素敵な景色を焼き付けたいと考え、いろんな景色を見に行くことにしました。
しーちゃんの目には何が映っていたのかな。
しーちゃんは闘病中でも幸せそうに毎日を過ごしています。
そんなしーちゃんに、わたしたちもたくさんのことを教えてもらいました。
もぐもぐ動物病院からのメッセージ
動物を家族に迎える理由は人それぞれですが、この子たちは物ではなく、命のある家族です。しーちゃんとの出逢いは奇跡であり、そのおかげで私たちの生活は何倍も幸せが増えました
反対に病気の怖さや不安も増えました。
それでもしーちゃんとの出逢いはこの形でしか実現しなかったと思います。間違いないのは「しーちゃんと出会えて、一緒にいられて、みんなが心から幸せ」だということです。
動物たちは一生そばにいてくれる子ども達です。
一緒に暮らす人間次第で、その子たちの命は変わります。
どんなに手を尽くしても、後悔することは避けられないかもしれません。あーすれば良かった、こーすればよかったと、きっと思ってしまうと思います。
だからこそ動物病院は、予防医療の重要性を伝えていかねばなりません。1人でも1匹でも多くの方の「早く対応すれば助けられた」という後悔がなくなるように。
私たちにこの使命を授けてくれたのは間違いなくしーちゃんです。
そしてしーちゃんのおかげで胸のしこりがないか良く見てくれる方が増えた事、乳腺腫瘍かもしれない、、、と心配して当院を受診してくれる飼い主さんが増えたことも事実。
しー、犬助けしてるじゃん😃えらいね👏って褒めています。
最後に
しーちゃんの最期の時は近いかもしれませんが、私たちはしーちゃんのそばにずっといようと思います。
楽しくごはんをもぐもぐする事。そこを目標として1日1日楽しく過ごしていきます。
このコラムが、皆さんに少しでも動物の命の大切さと、乳腺腫瘍の怖さを伝えられたら・・しーちゃんもきっと喜んでくれると思います。
2024年5月29日 記 もぐもぐ動物病院
この子に出逢って、過ごして、
私たちがこの子を少しでも救える存在、、
「動物病院スタッフ」で
本当に良かったと思えた。
しーちゃんありがとう。